チェックポイント工法の概要とチェック項目の確認
断熱リフォームを行う場合、いくつか重要なポイントがあります。工法や断熱材の種類で防湿層の施工、下地材を敷設や撤去作業など内容が異なります。地域・部位・層構成などに制限のある場合もありますので、認定内容等を確認することが重要です。
共通事項チェックシート
断熱材および防湿気密シートの施工
繊維系断熱材・吹付け硬質ウレタンフォームA種3のような透湿性の高い断熱材は、断熱材の室内側に防湿層の施工が必要です。このような断熱材でも、特別評価認定(特認)や結露計算結果等によって防湿層の施工を省略できる場合がありますが、地域・部位・層構成などに制限のある場合がありますので、認定内容等を確認することが重要です。
屋根断熱チェックシート
外張断熱工法
〈工法概要〉
- 既存屋根材を撤去して野地板の上面に断熱材を施工する場合は、新築時と同様の方法で施工します。
- 鉄板瓦棒葺きなど一部の屋根葺き材の場合は、既存屋根材の上面に断熱材を施工することも可能です。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 断熱厚さが100ミリを超える場合等は、新たに設ける屋根下地等は既存の垂木に強固に固定する等耐風圧強度に注意したか。
- 小屋裏換気口を塞いだか。
- 外壁断熱材を垂木の間・野地板下端まで追加し、屋根断熱材と連続させたか。
- 妻壁のある場合妻壁の断熱材は施工したか。
- 屋根通気層を設置したか。
桁上断熱工法
〈工法概要〉
- 梁の上に合板等の下地材を敷設した後、その上に断熱材を施工します。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 軒桁部に小屋裏換気用の通気口がある場合は、断熱材が小屋裏換気用の通気口を塞がないように、せき板(合板、段ボールなど)を設置したか。
- 外壁の断熱材を梁下端まで延長・追加し、桁上断熱材と連続させたか。
- 小屋裏換気を十分に確保したか。
天井断熱チェックシート
敷込断熱工法
吹込断熱工法
〈工法概要〉
- 天井材の上面に断熱材を敷込む、もしくは、吹込専用マシンを用いて断熱材を吹込むことによって断熱材を施工します。
- 天井材を一度撤去して新設する方法と天井材を既存のままとする方法があります。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 防湿層の設置など、結露防止措置に留意したか。
- 敷込み断熱工法の場合、吊木や野縁廻りに隙間が生じていないか。
- 吹込み断熱工法の場合、均一な高さになるように施工したか。また、天井材の隙間から断熱材がこぼれないように防湿シートを敷設するなどの対策をしたか。
- 小屋裏換気を十分に確保したか。
- 天井と外壁、間仕切壁との取合い部に気流止めを設置したか。
外壁断熱チェックシート
充填断熱工法
〈工法概要〉
- 外装を撤去して室外側から断熱材を施工する方法と、内装を撤去して室内側から断熱材を施工する方法があります。
- 防湿層や通気層の適切な施工が困難な場合は、内部結露が発生する危険性があります。特に、寒冷地の場合や断熱材の室外側に水蒸気(湿気)を通しにくい材料がある場合は、内外装ともに撤去して新築同様の方法で施工するか、外張断熱工法とすることをお奨め致します。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 外装材を撤去して室外側から断熱材を充填する場合、防湿層施工に留意するとともに、外気側に通気層を設置したか。
- 内装材を撤去して室内側から断熱材を充填する場合、防湿施工を適切に施工したか。
- 外壁・間仕切壁と床・天井の取合い部に気流止めを施工したか。
外張断熱工法
〈工法概要〉
- 既存の外装材を撤去する場合は、新築時と同様の方法で施工します。
- 既存の外装がモルタル仕上げなどの場合は、外装材を撤去せずに、直接断熱材を仮止めし、その後、外装下地材(通気胴縁)をビス等を用いて柱、間柱に固定します。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 軒桁部に小屋裏換気用の通気口がある場合は、断熱材が小屋裏換気用の通気口を塞がないように、せき板(合板、段ボールなど)を設置したか。
- 外装下地材(通気胴縁)が柱、間柱に確実に固定されたか。
- 既存の外装材の上に直接断熱材を張付ける場合、既存外装材と断熱材の間に隙間が生じていないか。
- 繊維系断熱材を施工する場合、防湿層を施工したか。
- 断熱材の外気側に通気層を設けたか。
- 外壁・間仕切壁と床・天井の取合い部に気流止めを施工したか。
- 窓との取合い部など、額縁、サッシ枠廻りなどの防水施工は適切に施工したか。
床断熱チェックシート
充填断熱工法
〈工法概要〉
- 充填断熱工法の場合、断熱材の落下防止や垂れ下がり防止のため、押さえ材などで断熱材を固定したか。
- 断熱材と根太、大引との間に隙間が生じていないか。
- 床下換気を十分に確保できているか。
- 床下地盤面の防湿措置が適切・床と外壁、間仕切壁との取合い部の壁下部に気流止めを設置したか。
〈工法概要〉
<チェック項目>
- 外装下地材(通気胴縁)が柱、間柱に確実に固定されたか。
- 既存の外装材の上に直接断熱材を張付ける場合、既存外装材と断熱材の間に隙間が生じていないか。
- 繊維系断熱材を施工する場合、防湿層を施工したか。
- 断熱材の外気側に通気層を設けたか。
- 外壁・間仕切壁と床・天井の取合い部に気流止めを施工したか。
- 窓との取合い部など、額縁、サッシ枠廻りなどの防水施工は適切に施工したか。