平衡含水率のグラフの見方について説明します。
右の図が平衡含水率のグラフです。
横軸は相対湿度、縦軸は平衡状態での含水率を表しています。このグラフの線の傾きが大きいほど調湿性が高いと言えます。
例えば、グラフの材料Aと材料Bを比べてみましょう。
両方の材料(ともに1000グラム)が相対湿度20%の状態にあったと仮定します。その時の材料AおよびBの含水率はともに5%です。
相対湿度80%になると材料Aは含水率15%になるために吸湿します。最終的にはその差の(15%−5%=)10%、すなわち、重量が1000グラムですから1000グラム×0.1=100グラムの水分を吸湿することになります。
一方、材料Bは相対湿度80%のときに平衡含水率が10%ですから、その差(10%−5%=)5%、重量に換算して(1000グラム×0.05=)50グラムの水分を吸湿します。
したがって、材料Aのほうが材料Bよりも相対湿度が変化することでたくさん吸湿することになります。(注)
(注)高湿から低湿への変化も同様におこりますが、この場合には平衡含水率の曲線が異なります(これをヒステリシスといいます)ので、吸湿と放湿の量は違ってきます。ここでは話が複雑になりますので吸湿側で説明しました。