ご挨拶
会長就任ご挨拶
会長 瀬戸 欣哉
日頃は当協会に多大なるご指導、ご支援をいただきまして、厚く御礼申し上げます。2024年6月6日の定時総会・臨時理事会で会長を拝命いたしました。
昨今、気候変動問題などを背景に、持続可能な経済社会の構築に向けて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどが国際的な潮流となり、顧客、金融機関、行政などのステークホルダーの期待や要請も変化しています。こうした社会的課題を成長の源泉となる戦略的分野として捉え、企業活動として戦略的に対応する必要性が高まっています。建材・住宅設備業界も例外ではなく、住宅・建築物の脱炭素化や資源循環などが強く求められ、施策の強化や市場ニーズの変化が見られる中、GX(グリーン・トランスフォーメーション)などに果敢に取り組んでいくことが必要となっています。
また、国内市場においては、中長期的な人口・世帯数の減少に伴う新設住宅市場の厳しい見通しに加え、足下では、高水準の原材料・エネルギー価格によるコスト高や人材不足などの課題に直面しています。こうした課題に効果的に対応していくためには、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やイノベーションとともに、業界内での非競争領域での協調、住宅・建築のサプライチェーン全体での連携といったダイナミックな取組が重要になってきます。このような個々の企業や団体では対応困難な業界横断的課題に取り組むことが当協会の使命だと考えています。
こうした観点から、本年度、当協会は、次のような課題に重点的に取り組んでまいります。
一つ目は、建材・住宅設備メーカーの海外市場の開拓・拡大を後押しするために、「温水洗浄便座」「遮熱塗料」「窓・ドア」などのわが国のグリーン建材・設備製品の国際標準の開発や日本規格のアジア諸国への展開に取り組みます。また、IoT住宅の普及を図るため、安全基準の国際標準化に取り組みます。
二つ目は、新築市場が厳しい中、リフォーム市場の活性化を図るため、リフォーム制度の検討、政策要望などに取り組みます。また、「健康」に対する消費者嗜好(しこう)の高まりに応えるため、「健康に資する建材・住宅設備」の基準づくりや推奨製品の普及活動に取り組みます。
三つ目は、住宅の脱炭素化を進めるため、これからの住宅の主軸となるZEHの中小工務店への普及や、断熱リフォーム・優良断熱材の普及に取り組みます。
四つ目は、コロナ禍で一段の高まりが見られる環境志向に対応するため、環境負荷の少ない建材や調湿建材などの認証事業を実施します。
五つ目は、国内最大級の建材・住宅設備のデジタルカタログ検索サイトである「カタラボ」について、利用者の利便性向上の観点からサイトの改良を行いつつ、運営に取り組みます。
さらにこれらに加え、「物流の2024年問題」への対応、価格転嫁・取引適正化の推進、建築BIMへの対応、建築物のエンボディドカーボン対策といった住宅・建築のサプライヤーとして業界全体が直面している共通の課題についても積極的に取り組み、当協会のプレゼンスを高めていきたいと考えています。
本年度も引き続き会員企業・団体及び関連業界の成長・拡大に貢献していく所存でありますので、関係各位の絶大なるご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
会長 瀬戸 欣哉