用語 | 読み | 解説 | 出典 |
VOC | ヴィオーシー | Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)の略語で、数百種類の揮発性を有する有機化合物の略称。WHOでは、大気中に気体で存在する有機化合物のうち沸点が50℃〜260℃の物質の総称と定義される。2002年厚生労働省によって、ホルムアルデヒドを含む計14種類の化学物質が指定された。代表的な物質としてホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンがあり、それぞれ厚生労働省の濃度指針値が示されている。 建物内の発生源としては、合板、壁紙などの建材や施工時の接着剤、カーテンやカーペット、家具、芳香剤、喫煙などがあげられシックハウス症候群の一原因として問題視されている。 |
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温湿指数 | おんしつしすう | →不快指数 | 建築大辞典 |
過乾燥 | かかんそう | 乾燥しすぎの状態をいう。人や物品において最適な湿度範囲があるが、それ以下の湿度状態をいう。過乾燥状態になると喉や目が乾き、またインフルエンザ等のウィルスの生存率が高くなり、種々の疾病が起こりやすくといわれている。 | |
換気回数 | かんきかいすう | 部屋の換気の度合いを示す指数で、1時間当たりの換気量をその部屋の容積で割った値。 室の容積に比例する空気量、あるいは換気量の割合。室内へ供給される空気量あるいは排出される空気量を室容積で割った数。一般に時間当たりの回数で示される。 |
JIS工業用語大辞典 建築大辞典 |
乾球温度 | かんきゅうおんど | 温度計の種類による温度表示のひとつ。一般にはガラス管封入の液体温度計によって測った温度をいい、球部に湿った布を巻いて測った湿球温度と区別する | 建築大辞典 |
乾式建材 | かんしきけんざい | 工場生産された部材で、施工現場でコンクリート工事・左官工事などの水を必要とする工事をしない建築材料。木材・合板・石膏ボード・ALC・プレキャストコンクリート板などがある。 | 建築大辞典arrenge |
含湿率 | がんしつりつ | →含水率 | |
含水率 | がんすいりつ | 材料中に含まれる水分の量を百分率で表した値。 @材料中に含まれる水分の重量を材料の絶乾状態の重量で除した割合。 A材料中に含まれる水分の重量を、水分を含む材料重量で除した割合。 B材料中に含まれる水分の容積を、材料容積で除した割合。 等の算出方法があるが、一般的には@の方法がつかわれる。 |
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乾燥空気 | かんそうくうき | 空気から水蒸気を除いた残りの気体。 | JIS Z 8806arrenge |
気密 | きみつ | 空気を通さないこと。建物において気密化を高めることは室内と外部の温度差がある場合に室内の温度を保ちエネルギーロスを少なくすることに効果的な方法である。次世代省エネルギー基準では、「高気密住宅」とは気密値である「相当隙間面積」が、寒い地域では床面積に対して2cm2/m2以下、比較的暖かい地域では5cm2/m2以下と定められている。 | |
吸湿 | きゅうしつ | 空気中に置かれた材料が、空気中に含まれる水分を吸着する現象。一般的に材料はその空気中の水分の量に応じて、ある量の水分の吸着し、ある一定の平衡状態になる。吸湿の反対の現象が放湿。 | 建築大辞典arrenge |
吸湿過程 | きゅうしつかてい | 材料が雰囲気中の湿気を吸収し平衡状態になろうとする過程。 | JIS A 1470 |
吸湿量 | きゅうしつりょう | 吸湿過程で材料に吸収された湿気の量。 | JIS A 1470 |
吸着 | きゅうちゃく | 気相または液相中の物質が、その相と接する界面に置いて、相の内部と異なる濃度になる現象。 | 建築大辞典arrenge |
吸放湿性 | きゅうほうしつせい | 湿気を吸収したり放湿したりする材料の性質。 | |
吸放湿量 | きゅうほうしつりょう | 吸湿・放湿過程で材料に吸収または放出された湿気の量。 | |
結露 | けつろ | 水蒸気を含んでいる空気が冷却して露点以下になり、水蒸気が液化して露を結ぶこと。 | JIS工業用語大辞典 |
細孔 | さいこう | 材料中に存在する細かい空隙。ミクロ細孔(マイクロポア)、メソ細孔(メソポア)およびマクロ細孔(マクロポア)に大別され、IUPACでは孔径2nm(ナノメートル)以下をミクロ細孔、2〜50nmの範囲の細孔をメソ細孔、50nm以上をマクロ細孔と呼ぶことを提唱している。 | |
仕上げ材 | しあげざい | 物の表面を仕上げるための材料であり、建築分野では下地材の表面に施工する塗料、モルタル、壁紙、タイルなどをいう。 | |
下地材 | したじざい | 仕上げ施工を行うその素地にあたる部分につかう材料であり、合板、石膏ボードなどが下地用の板材としてよく使われる。 | |
湿害 | しつがい | 農作物の被害に広く使われる用語であるが、住空間における湿害は高湿環境での建材・家財道具の腐敗、カビの繁殖等によって建物自体の性能が低下すること、ならびに極端な多湿・過乾燥状態が住人の健康障害を引き起こす原因となることを指す。 | |
湿気 | しっき | 空気中または材料中に気体および液体の形で保持される水分。 | 建築大辞典 |
湿球温度 | しっきゅうおんど | ガラス管温度計の球部に湿った布を巻いた湿球温度計で測った温度。 | 建築大辞典 |
シックハウス症候群 | しっくはうすしょうこうぐん | Sick Building Syndromeの和略。住居で、目がチカチカする、喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛がする等の症状を引き起こす病で、化学物質過敏症の一種である。原因のひとつとしてVOCが挙げられる。 | |
湿気貫流抵抗 | しっけかんりゅうていこう | 壁体など部材の両表面に接する空気中の水蒸気が部材を介して一方から他方へ移動するときの水蒸気移動の抵抗を表す係数。湿気貫流率の逆数。 | JIS A 1470 |
湿気貫流率 | しっけかんりゅうりつ | 壁体など部材の両表面に接する空気中の水蒸気が部材を介して一方から他方へ移動する水蒸気量であって、材料面積、時間、圧力を単位量として表される。すなわち[材料を通過した水蒸気の量]/([材料の面積]・[要した時間]・[材料両面の水蒸気圧の差])。 | |
湿気伝達抵抗 | しっけでんたつていこう | 壁などの部材表面と周囲空気との境界層において水蒸気の移動の抵抗を表す値。 | JIS A 1470 |
湿気伝導率 | しっけでんどうりつ | 材料中の湿気の移動量であって、材料厚さ、時間、圧力を単位量として表される。すなわち[材料を移動した水蒸気の量]/([材料の厚さ]・[要した時間]・[材料両面の水蒸気圧の差])。 | |
湿気容量 | しっけようりょう | 平衡含水率を相対湿度で微分した値。湿気容量は相対湿度に対して非線形となる。 | |
湿式材料 | しっしきざいりょう | 建築施工において水で練って用いる材料。湿式材料を用いる施工方法を湿式工法という。 | 建築大辞典 |
湿潤空気 | しつじゅんくうき | →湿り空気 | |
湿度 | しつど | 湿り空気中の水蒸気含有の程度 | JIS工業用語大辞典 |
湿り空気 | しめりくうき | 水蒸気と乾燥空気との混合ガス。通常の空気はこの湿り空気である | 建築大辞典arrenge |
水蒸気圧 | すいじょうきあつ | →水蒸気分圧 | |
水蒸気分圧 | すいじょうきぶんあつ | 湿り空気中の水蒸気の示す圧力。 | 建築大辞典 |
絶乾重量 | ぜっかんじゅうりょう | 絶対乾燥重量のこと。物質を乾燥させ、内部の水分を除けるだけ除いたときの物体の重量 | 建築大辞典 |
絶乾状態 | ぜっかんじょうたい | 絶対乾燥状態のこと。材料の内部の空隙や細孔に水分を全く含んでいない状態。一般的には100〜110℃の温度で恒量になるまで乾燥するとこの状態になる。 | 建築大辞典 |
絶対湿度 | ぜったいしつど | 湿り空気の中の水蒸気の質量と、その水蒸気を除いた空気(乾き空気)の質量との比 | JIS工業用語大辞典 |
相対湿度 | そうたいしつど | ある温度における湿り空気中の水蒸気の分圧と、その温度における水蒸気の飽和圧との差 | JIS工業用語大辞典 |
多孔性 | たこうせい | 物質の表面および内部にもほぼ均一に多くの細孔を有すること。 | |
多孔材料 | たこうざいりょう | 多孔性を有する材料であり、多孔性材料とも言う。多孔性を有している材料は、細孔の大きさ・量・分布によって軽量性、断熱性、吸音性、調湿性などの特徴を有する。 | |
断湿 | だんしつ | 湿気の移動を遮断することであって、断湿材料としては金属・ガラスなどが挙げられる。 | |
断熱 | だんねつ | 熱の貫流に対する抵抗性能 | JIS工業用語大辞典 |
調湿性 | ちょうしつせい | 周囲雰囲気中の相対湿度変動を緩和する性質 | |
調湿建材 | ちょうしつけんざい | 主として室内などの対象空間の相対湿度変動を緩和するために用いられる建築材料 | JIS A 1470 |
定常状態 | ていじょうじょうたい | 特性が長時間にわたって無視できる程度の変化しか示さないような状態。 物理的な変化において、その変化を決定する各量が時間的に不変な状態であることをいう。流体の流れ、熱の伝導、気流、音圧などの動的な現象が変わらず続いている状態。非定常状態は時間の経過とともにその変化を決定する各量が刻々と変化する状態をいう。 |
JIS工業用語大辞典 建築大辞典 |
透湿 | とうしつ | 材料の片面における水蒸気が他面へ通過する現象。 | 建築大辞典 |
透湿係数 | とうしつけいすう | 材料の透湿性を表す数値のひとつ。材料の両面の面の水蒸気分圧の差が単位圧力差のときに単位時間・単位面積当たりに通過する水蒸気の量が表されたもの。 | 建築大辞典 |
透湿抵抗 | とうしつていこう | 透湿係数の逆数 | 建築大辞典 |
非定常状態 | ひていじょうじょうたい | 物理的な変化において、その変化を決定する各量が時間的に刻々と変化する状態をいう。 | 建築大辞典 |
比表面積 | ひひょうめんせき | 粉末の単位質量当たりの表面積 | JIS工業用語大辞典 |
不快指数 | ふかいしすう | 温湿指数ともいう。温度と湿度を組み合わせた一種の総合指標。アメリカのJ.F.ボーゼンによって考案された。乾球温度をd(℃)、湿球温度をw(℃)とすると次式で表せる。不快指数=0.72(d+w)+40.6 または気温t(℃)、相対湿度h(%)とすると次式となる。不快指数 = 0.81t + 0.01h(0.99t - 14.3) + 46.3 不快指数が70以上で一部の人が不快に感じ、75以上で半数、80以上で全ての人が不快に感じる。 |
建築大辞典 Wikipedia |
平衡含水率 | へいこうがんすいりつ | 一定温度・湿度の空気中に置かれた物体が、見かけ上その含水率が一定になったときの物体の含水率 | 建築大辞典arrenge |
放湿 | ほうしつ | 空気中に置かれた材料が、材料中に含まれる水分が空気中に放出される現象。一般的に空気中の水分の量に応じて、材料はある量の水分しか保持できない。この状態を平衡状態という。それ以上の水分が材料中にあると空気中へ放湿する。放湿の反対の現象が吸湿。 | |
放湿過程 | ほうしつかてい | 材料が雰囲気中に湿気を放出し平衡状態に推移する過程 | JIS A 1470 |
放湿量 | ほうしつりょう | 放湿過程で材料から放出した湿気の量 | JIS A 1470 |
防湿材料 | ぼうしつざいりょう | 透湿率が極めて小さい、または全くない材料。アルミ箔などの金属材料、パラフィン紙、アスファルト、プラスティックフィルムなどがある。また防湿塗料もある | 建築大辞典arrenge |
飽和蒸気 | ほうわじょうき | 水または氷と水蒸気が大気中で平衡状態で共存しているとき、水または氷の水蒸気の圧力は一定値でこれ以上増加しない。このときの大気中における水蒸気を飽和蒸気という。 | 建築大辞典 |
飽和蒸気圧 | ほうわじょうきあつ | 温度によって決まる湿り空気の量あるいは水蒸気圧 | 建築大辞典 |
飽和水蒸気 | ほうわすいじょうき | →飽和蒸気 | |
保湿量 | ほしつりょう | 吸湿過程から放湿過程を経た材料において、材料内にある湿気の量 | |
床下調湿材 | ゆかしたちょうしつざい | 主に床下雰囲気の湿度を調整することを目的として、建物の床下に散布・敷設する材料 | |
露点 | ろてん | 水蒸気を含む空気が冷却して飽和状態になるときの温度。 湿り空気を定圧のままで冷却していき、空気中の水蒸気が液化し始める温度 |
JIS工業用語大辞典 |